作業を細分化しミスをゼロに



社労士業は、作業が細かく、多岐にわたる為、ミスが多くなりがちです。それを防ぐために二重チェック体制(一案件2名体制)をとりますが、担当者が複数になると誰がどこまでするのかが明確にならず、作業モレが発生します。

 

背景には、担当件数の多さにあります。一人が頭の中で整理できる顧問件数は20件から30件程度が適当と考えますが、もし1案件を2人で対応すると、1人で対応する件数が2倍近くになります。一案件当たりの顧問契約料もし平均月3万円だとしたら、その半分の月1.5万円×40件でやっと月60万円の売り上げです、人件費率から考えると、もっと作業をこなさないといけなくなります。

 

この理由から、1人が担当する件数はベテランで50件を超えていきます。覚えておける件数ではありません。一目でどの案件がどんな申請が今行われていて、どんな状態かが管理できないと回せません。

 

一方、1人当たりの件数を増えすぎないようにするために、平均の顧問契約料の増額を目指しました。付加価値をつけ、規模感がより大きな企業に提案することがその近道と考えましたが、大きな企業はミスに敏感です。

しくみが整っていないと対応できません。このため、タスク管理の機能はかなり検討を重ねました。


助成金申請のリスクを軽減



助成金申請は社労士業を営むのに切っても切れないサービスです。

顧客企業様は、助成金の情報を入手し、「こんないい話きいたんやけど」といわれるケース、また「なんで教えてくれんかった」と言われることもあります。

 

助成金は、企業に対してルール・制度を構築するための動機付けとなり、助成金を申請する行為が企業を強くします。「助成金の申請方法はパンフレットに記載があり、不明点は労働局へ問い合わせればわかる。あとはスケジュール管理なんだから、そのくらいは対応すればいい」と、入口では思います。というより、弊所がそうでした。

 

助成金サービスは、計画から申請までの期間が長く3年も要するものもありますよね。その間に、顧客企業の動きをつぶさに見ないといけないし、何より「確認を重ね、これで申請できる」と考えいても、実際に申請すると、不支給になることがあります。小さな文字で書かれていたり、意図しない条件が後でわかったりします。その時点ではもうどうにもならず、顧客企業に謝りに行くことになります。顧客企業様は、基本的には助成金なんてそんなに気にしていないとする企業もあれば、どうしてくれるんだとなる企業もあります。

なにより、申請した担当者は、大きな迷惑をかけたとモチベーションが低下し、退職の意思を覗かせます。弊所は「こんなはずじゃなかった。」と助成金を申請をすべて辞めたいと思いました。あまりにも運営にリスクが大きい

 

その後の弊所では、いまも助成金の売上比率低くて10%、高くて30%程度を担っています。助成金申請を止めるにはその売り上げに見合った代替措置、いやそれ以上の代替措置が必要です。助成金申請をしないと宣言した場合、顧問契約が切れるところがあるからです。

 

当社では助成金の不支給決定やトラブルに至る件数は20件に1件程度と捉えていますが、これを50件に1件にすべく、助成金管理に力を入れています。結局、トラブルは起きるのですが、その頻度を下げ、退職率を下げ、ベテランを育成し、より人事コンサルティングに取り組めるようにしようとしています。

同じ気持ちの事業所は多いと思っています。そんな弊所で開発した助成金管理の機能は以下です↓


問い合わせ履歴の共有化



複数で顧客を対応するようなり、問い合わせの共有化の重要性に早い段階で取り組まれる事業所は多いのではと思います。ここ最近は、コロナ禍も手伝い、Slackや、Chatwork、Teams等のアプリをはじめ様々なツールが世に溢れました。弊所ではSlackを利用し、対応履歴の集約をしています。Slackはカスタマイズ性が高いのが特徴です。


 タスク管理

社労士の仕事は大きく①申請業務②給与計算業務③助成金業務④労働問題相談業務に大別できるが、各作業が緻密で、洩れなく、ミスなく、効率的にこなす必要があり、二重チェックが前提である。また一つの作業時間10分程度のものが多く、かなり細切れに作業を行う。助成金に至っては、1つの助成金に、1年半(平均)の長期スパンで作業を行う必要がある。一方、作業者は一人当たり30件から50件の取引先を担当し、一日20件から30件ほどの作業に携わる。管理者は100件ほどの案件状況を頭に入れているという状態が普通である。 このため、抜けやミスが発生し、「顧客や顧客先の従業員のお金に関する重要な作業を自分の簡単なミスで迷惑をかけてしまった」と気を病んでしまい、退職に至るケースも多い。 上記理由より作業タスク管理は、 社労士業にとって非常に重要なポイントである。この作業は、組織規模が小さな5人未満の社労士事業であれば、管理する件数も少ないため、エクセルや、  

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カレンダーにて管理しているケースがほとんどであるが、組織規模が少し大きくなってくると、非常に重要な要素となる。 しかしながら社労士業の市場が小さく専門的な業界であるため、事情を理解するシステム会社は殆どない。 当社ではタスク管理を重要視しており、様々な仕組み化をしている。一年ごとの定期的なタスクを自動で生成する機能や、社労士業では必ず使う作業タスクはテンプレート化して、いちいち作業タスクを細かく登録しなくもよい仕組みはその一例である。

 分析

 社労士業は非常に細かな作業を行うため、一つの作業にどのくらい時間がかかっているかを集計するのは非常に難しい。また、顧問契約にて月額固定契約する場合が多いため、  

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作業が多くても少なくても同じ金額を請求するケースが多く、不採算案件に気付き難い。 当社のシステムでは、毎日タスク管理機能から日報入力へ自動連携し、時間だけを入力するしくみにしているため、日報入力にてわざわざ、改めて何をしたか入力する必要がなく、1日30件の作業があっても、 日報管理に時間をかけずに済む仕組みを構築している。このため、そのタスクにどのくらい時間がかかったか、またその人がどの案件でどのくらい作業したか、また案件ごとの採算等が一目で確認できる。 また、日報入力には、有給申請や、残業申請等も連携しており、一日の勤務入力と兼ねていて、日報登録時に勤務表にも連携がかかる。

 契約管理

  

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契約書は、締結する際に確認して保管しているケースがほとんどで、その内容が作業者には見えずと、作業範囲外まで行ってしまい無償対応を繰り返すことに陥ってしまう。また、多くの顧問契約は、取引先の従業員数に応じた料金設定となっているが、実は従業員が増えており増額のチャンスがあるのにも関わらず契約書を見る機会が少ないため、気づかず数年が経つケースも多い。当社のシステムでは、契約書を各担当者が簡単に見ることができる仕組みにしており、契約更新の期日前には、各担当者に通知し、値段交渉を行う機会を確保できるようにしている。

 対応履歴

 毎日の作業のうち半分を占めるのが、顧客からの問い合わせ相談である。担当者が一人であれば、その人がわかるようにノート等でメモしておけばよいが、

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複数人で担当している場合は、問い合わせがある毎に、その顧客対応履歴としてシステムに登録する必要があるのが一般的である。社労士業の場合、その問い合わせがルーティン内容ではないため、電話のたび、議事録を取っている感覚であり、非常に時間がかかる。 当社ではこの作業の簡便化を図るため、SLACK(チャットツール)にてその問い合わせを登録し共有している。また記録は、先述の日報入力にも自動連携され、その日の問い合わせ作業時間も記録ができ、相談時間が多い顧客を分析することができる。あまりにも多い場合は、価格の交渉やほか提案に結び付ける。

 作業はしたけど請求漏れ

 

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スポット作業を依頼された場合、その作業が完了すると請求書を発行しなければいけないが、注文を受けた人と、実際に作業者が異なった場合、請求漏れが発生しがちである。これは、月額固定の顧問契約が主であり、その都度請求する意識がすくないために発生する。  当社では、作業タスクを登録する際にスポット請求金額を登録しておけば、作業完了時にボタンが出現し、そこから請求依頼へ連携がかかり、請求漏れを防いでいる。